介護の現場の主導権争い

転職する理由に人間関係を上げる人は多い。
退職しないまでも人間関係に悩んでいる人たちは少なくない。

これは介護現場においても同じことがいえる。
真っ先に上がるのが介護職員間の人間関係である。
これは、他の職場とは少し違った内容といえる。

例えば、介護の専門職とは言いながら、実際には限りなく素人集団のような施設もあるのだ。
そこでは介護士のような専門知識が職員を動かすのではなく、感情の好き嫌いが職員を動かすので嫌気がさして転職に至る人もいるのだ。
それとは対照的に、専門職としての意識が高い施設では、介護を含め、物事を合理的に考えようとするので、つまらない自我や盲信にはとらわれていない分、人間関係は救われていると言って良い。

次に、看護師と介護職員の人間関係である。
この関係でトラブルことが多いのが実情なのだ。
なぜ、そんなにもめるのかといえば、看護師と介護職員のどちらが上で、指示をする立場にあるのかを巡っての主導権争いとなる。
利用者・家族がこのようや素朴な疑問を持つこと自体は問題ないが、現場の当事者たちがこれで対立し始めると介護現場は混乱する。
老人ホームなどで大卒の看護師を見かけることが少ないが、基本的に看護師と介護職員の学歴はそう変わらない。
しかし、看護師は免許がなければ業務ができない業務独占であり、介護職員の介護福祉士は名称独占に過ぎない。
つまり、専門職の観点から看護師の方が上であるという見方になるのだ。